くらっ……

「!」

立ちくらみでリィナはベッドに再び座った。

「リィナ様、ここは騎士達にお任せを!」

「えぇ……頼んだわ。」

フゥリは冷たく濡らしたタオルを、彼女に渡した。



「レイド様!何処にいらっしゃるのですか!?」

騎士達が声をあげてレイドを探し回る。

しかし、問いかけに返事はない。

「シュー、“異人”は何て言ったんだ?」

フィルはシューと共に城を出た。

城外を探し回っている。

「『オレ達の所へ帰ってこい。』と言った。」

「取り引きが行われる場所は指定されなかったのか?」

「!!」

シューはその一言で思い出した。

「リヴェンの女神像だ……!」

「女神像…?」

2人は馬に股がり、以前の国境へ向かった。

「リヴェンの女神像で待つ、奴は言った!」

「じゃあ……レイドは!」

「急ぐぞ!」

静かな城下町を抜け、ひたすら走る。

ようやく女神像の陰が見えた。

女神像の足元に1頭の馬がいた。

「レイド様の馬だ!」

主がいない馬はただ、退屈そうに、女神像を眺めている。