2人の目の前に、レイドの後ろ姿があった。

右手には、光を失った剣が持たれていた。

「ま……まさか。」

「レイド!お前がやったのか!?」

レイドは振り向き、歯を見せて笑った。

その姿に2人は自然と笑った。

「さぁ……行こう!リィナが待ってる!」

3人は馬に乗り、ルーゼンを目指して駆け出した。



「私の魔法が弾かれた。」

オルディンはリヴェンの女神像の上で、空を見上げながら呟いた。

「レイドの力か?」

その呟きにロイドは質問した。

「やはり……レイドには“聖光魔法”の力が備わっていた。」

「生まれつきか?」

「そうではないだろう。おそらく、あれの力だ。」

オルディンは長い黒髪を手ぐしでといた。

「まぁ……心配いらねぇ。アイツは、絶対にオレ達の所に戻ってくるさ。」

「かなりの自信だな。」

「魔法で嘘はつけなくとも、他の方法で嘘はいくらでもつけるからな。」

「非道な奴だ。」

「ありがとうよ。」

ロイドはオルディンの肩を叩いた。



タイムリミットは25時間を切った。

しかし、まだリヴェンの地にたどり着けていない。