謎の声により、レイドに秘められた力が解放された。

“聖光魔法”という魔法を―。

「これが……聖光魔法…?」

右手に光輝く剣を持ち、それを掲げた。

“やめろ……!!”

幼いロイドは、レイドの姿を見て、怯えた。

「ロイド……。お前に教えてもらうことなんて、1つもねぇよ。」

レイドは剣を振り上げた。

“弟を殺す気か?!”

「幻覚の人間はそもそも生きてない!」

“やめろぉぉぉおお!!”

「失った過去(記憶)は自分で取り返す!!!」

ブンッッッッ!!!

剣を振り下ろした。

ピシッッッ!!

暗闇に亀裂が入った。

“うあぁぁぁああ!!!”

そこから光が射した。

パアアアアッッ!!

蜘蛛の巣状に亀裂が入ってゆく。

光が次々と刺し、幼いロイドと祭壇の間の幻覚が消えてゆく。

パリーーーンッッッッ!!

完全に暗闇が砕け散った。

「な……なんだ!?」

同じ頃、フィルたちがいた所も同じように光が刺し、暗闇が消えた。

「聖光魔法により暗闇が消えたんですわ!」

「だ……誰が魔法を…?」