黒騎士-ブラックナイト-


「特定できねぇが、確実にお前を狙っている。気を付けろ。」

「わ、わかった。アナタも気を付けて。」

広場に重い空気が漂った気がした。



午前中の、戦力実践の審査が全て終了し、昼休憩になった。

城で昼食を摂るときも、気は緩められない。

リィナとレイド、ヴァィ、シュー、ダイ、スーハは城の大食堂で休んでいた。

「――では、受験者の中に、命を狙っている者がいるのですね?」

「あぁ。多分、一人だと思う。」

レイドは忠告した。

「はっ!わかりました。」

レイドは皆より早く食べ終わり、席を立った。

「あいつらの様子を見てくる。しばらく、王女様を頼んだ。」

「承知しました。」

「気を付けてね。」

振り返らずに手を振り、部屋を後にした。

レイドは部屋を出て、二階の階段から、一階のロビーを眺めた。

そこには、受験者たちがバイキングで昼食を摂っていた。

やはり、まだあの魔力を感じる。

レイドはゆっくり階段を降りた。

「しかし、あの側近騎士様が気になる。」

レイドの耳に飛び込んできた。