「特定できねぇが、確実にお前を狙っている。気を付けろ。」
「わ、わかった。アナタも気を付けて。」
広場に重い空気が漂った気がした。
†
午前中の、戦力実践の審査が全て終了し、昼休憩になった。
城で昼食を摂るときも、気は緩められない。
リィナとレイド、ヴァィ、シュー、ダイ、スーハは城の大食堂で休んでいた。
「――では、受験者の中に、命を狙っている者がいるのですね?」
「あぁ。多分、一人だと思う。」
レイドは忠告した。
「はっ!わかりました。」
レイドは皆より早く食べ終わり、席を立った。
「あいつらの様子を見てくる。しばらく、王女様を頼んだ。」
「承知しました。」
「気を付けてね。」
振り返らずに手を振り、部屋を後にした。
レイドは部屋を出て、二階の階段から、一階のロビーを眺めた。
そこには、受験者たちがバイキングで昼食を摂っていた。
やはり、まだあの魔力を感じる。
レイドはゆっくり階段を降りた。
「しかし、あの側近騎士様が気になる。」
レイドの耳に飛び込んできた。

