アクリスはフィルの左腕を掴んだ。

「捕らわれてしまいましたわ……。」

「!?」

「魂が連れていかれる前に、レイド様自身が振り切れないと助かる術は……!」

「だったら余計に後を……」

アクリスは半泣きになっていた。

「ここで後を追えば、アタシ達は全滅してしまいますわ……。」

「そんな……。」

「今はレイド様を信じるだけしかできませんわ。アタシ達は飲まれないように気を保たねば……。」

フィルはアクリスの言う通りに、ただ光を見つめた。



「リィナ……!」

“嬉しい。今日も遊びに来てくれたの?”

レイドの目の前には、花畑が広がり、その中心に少女が座っている。

少女の顔ははっきりみえない。

「リィナ……リィナなのか……?」

長い金髪が輝き、花をよりいっそう綺麗に見せていた。

“今日は何をして遊ぶ?鬼ごっこ?かくれんぼ?”

「リィナ……無事だったのか……?」

レイドは少女の前に座り込んだ。

“ねぇ……レイド。”

ポタッポタッ…

少女の目から血の涙が流れた。

「!!!?」