「足止めの前に殺してしまいそうだ……。」
「誰がてめぇなんかに……!」
「しかし、レイドは殺すなと言われたからな。貴様は殺しはしない。」
長い黒髪が風になびく。
「“異人”でありながら“聖人”を護るなんざ出来やしない。貴様は、必ず私達のもとに帰ってくる。」
「何を根拠に……!!」
レイドは腹が立った。
急がなければならないのに、こんな所で止まってられるか……!
誰がてめぇ等の所に行くもんか……!
「……暗闇よ、包め。」
ブワッッッッ!!!
風が吹き荒れた。
「!?」
「な……なんだこれ!?」
「きゃあっっ!!」
風はやがて、黒い色に染まる。
そして辺りは暗闇に包まれた。
「くそっ!幻想か?!」
『幻想じゃないさ。』
どこからかオルディンの声がする。
「なんなんだこれ!?」
『しばらくは出られないだろう。時間が過ぎるのを待つだけだ。まぁ5時間は出られない。』
「ふざけるな!」
声は返って来なかった。
思いもよらない所で、足止めを食らってしまった。
レイドはくやしい思いでいっぱいだった。

