戦力実践が始まった。
審査をするシュー、ヴァィ、スーハ、ダイは受験者の実力をしっかり見て、手元のカードに評価をつける。
魔術を使う者は、どんな魔法が使えるか、攻撃魔法のコントロールはどうかを見る。
剣術は、剣の種類に、実力を、武術は実力を見る。
魔法が栄えるこの国では、それで王国騎士になるには、ハードルが高い。
高いレベルの魔法が重視されるからだ。
「ダメだ、あいつ。魔力が全くねぇし、コントロールがなさすぎる。」
「そうね、あの人は少し実力に欠けるわ。」
レイドの魔術は本当にスゴいものだった。
この国に拾われた11歳の歳に、高い魔力と攻撃魔法3種類を身に付けていた。
その実力に皆が驚いた。
当時、中等騎士であったシューが国一番の魔術者であったが、レイドは彼を上回る魔力だった。
足元に魔法陣を描く魔術は、この国はない。
「リィナ。」
「ん?なぁに?」
「この中に気味の悪い魔力を持つ奴がいる。」
「え!?」
リィナの耳元でレイドがささやいた言葉に、彼女は驚いた。
レイドには、魔力に隠された情を読み取る力があった。

