フィルは土下座した。

右腕が無いから左腕だけで身体を支えて。

フィルがこんなにも人にものを頼む姿は2人とも初めて見た。

「俺を憎むなら憎めばいい!アンタは俺を殺したいなら殺せ!その代わりに、リィナ王女を助けてくれ!!!」

ガチンッッ!

額を思い切り床に叩きつけた。

「……あなたの頼みではなく、レイド様の頼みとして聞きましょう。」

「本当か!?」

「レイド様の頼みとして!」

「ありがとう……!!!」

「ありがとう!!!」

アクリスは照れ臭そうに笑った。

「ただし!レイド様の頼みですからね!」

「……意地っ張りだな…。」



「リィナ様……。」

彼女の部屋には、四六時中城の者が集まっていた。

リィナは目を覚まさず、2日間眠り続けている。

タイムリミットは約30時間―。