黒騎士-ブラックナイト-


受験者たちは真剣な眼差しで話を聞く。

3年前もこんな感じだったなぁ…。

レイドはそう思った。

「まずは自分たちの戦力を見せてもらう。それが第一次審査だ。次に、礼儀を見させてもらおう。」

「はっ!」

騎士試験は3年に一度行われる。

レイドにとっては2回目の騎士試験。

その時はまだ側近騎士ではなく、普通の騎士であった。

受験者の戦力実践の相手をした覚えがある。

それが今となっては、側近騎士。

同じ位の騎士を指揮する立場となり、王女の一番近い存在となった。

「では30分後に戦力実践を開始する。魔術を使う者は東側の騎士に従え。」

「はっ!」

「剣術を使う者は西側の騎士に従え。そして、武術を使う者は南側の騎士に従え。」

受験者それぞれの戦力に対応できるようにするためだ。

「リィナ王女、腰をお掛けください。」

レイドは椅子を持ってきた。

「ありがとう。レイドもしっかり見るのよ。」

「あぁ、わかってるよ。」

「王女様、お飲み物です。」

フゥリはリンゴジュースを渡した。

「ありがとう。」

リィナはリンゴジュースが大好きだ。