ズシンッッッ……

2つの雷系魔法を食らい、化け物はひざまついた。

フィルの真空波により顔に幾つか傷があり、右の上から2本目の腕は使い物にならないようだ。

身体が雷で火傷をし、大きな大ダメージを与えることに成功した。

「このまま一気に攻めるぞ!!!」

レイドは魔法陣を光らせ、次の攻撃体勢に入る。

フィルも続いて剣を構え直した。

「ルーゼンの騎士をなめんなよ!」

フィルは叫んだ。

「火流(かりゅう)!!!」

ブンッッ!!!

ドシュッッ!!!!

一振りした剣から生じた風が、炎に変わり、素早く化け物に向かって流れる。

グルアァァァァアアア!!!

炎が行き着く前に、化け物の左の爪16本が襲いかかる。

「護れ!!!」

ピキンッッッッ!!!

ガガガガッッッ!

レイドは結界を張り、攻撃を塞いだ。

しかし、フィルの放った炎は、爪を振る勢いで生じた風により消された。

「あの腕をなんとかしないと……!!!」

「レイド、あれはできねぇのか!?」

「あれ……?」

「あのでけぇ火柱だよ!」