毒が、リィナの身体に巡るまであと48時間―。

ネーストまであと4時間掛かるのだが、レイドとフィルは足止めを食らっている。

人喰い化け物と戦闘を強いられた。

フィルは軽い傷を負っている。

化け物は顔に真空波を受け、無数の傷を負い、血を流す。

レイドの攻撃により、右の上から2本目の腕は使い物にならないようだ。

「こっちは時間がねぇんだよ!」

「とっとと片付けちまうぞ!」

フィルは剣を構え直した。

レイドも魔法陣を光らせる。

「雷系(サンダー)の魔法は使えるか?」

「あぁ!」

フィルはレイドに確認すると、剣を垂直に掲げた。

「雷光(らいこう)!!!」

カッ!!

剣が金色に輝き、空へ昇った。

昇った雷が真っ直ぐ化け物を狙って落ちてくる。

「貫け!!!」

ビリッビリビリッッ……

レイドは魔法陣から電気を放ち、一筋の光が化け物に向かって疾る。

「焦げろぉぉおお!!!!!」

ドッッッッ!!!!!!

バリバリバリバリバリバリッッッッ!!!!!!

グルアァァァァアアアアアアアッッッッッッ!!!!!!