「わかった、行こう。」

ヒヒーーン!

再び馬を走らせた。

そして約500メートル走った時だった。

ズズッ……

目の前の土が膨れた。

「来るぞ!!」

グルアァァァァアアア!!!!!!

化け物ほ咆哮が、身体全体に響く。

ドシャァァァアアッッ!!!

勢いよく地面から飛び出してきた。

馬がびっくりし、混乱する。

2人はとっさに飛び降り、馬を手放した。

「呼んだらすぐに来てくれ!それまでは遠くに逃げろ!」

馬は暗闇の中に消えた。

化け物がランプの明かりに照らされ、姿をはっきり表した。

巨大な身体に腕は8本、鋭い牙が4本。

不気味に光る無数の大きな瞳。

まるで蜘蛛と虎が融合したような……。

「牙が赤く濁ってやがる……。」

「しばらく喰ってないみたいだな。」

「空腹か……。」

よだれが垂れている。

レイドの言う通り、空腹で堪らないようだ。

グルァァァアア!!!

ブンッッッ!!!

巨大な腕を振り落とす。

「早い……!!」

スッ!

ドォッッッ!!

2人はかろうじて避けた。

地面がへこむ。