ちゆまど―世界は全て君のために―



「どういうことですの」


「言葉通りだ。俺は彼女と一心同体になるために自分を代価とした。……もっとも、異世界に行けば、それも終わるが」


「ふっ、ふふふ……!」


笑いをこらえるも、こぼれる歓喜。とても楽しそうだった。


「とんだ奇跡を起こしたようですね。そう、わざわざ奇跡の帳消しのために異世界に行くのですか。なんて滑稽な……!」


「仕方がないことだ。俺だってずっと一緒にいたいが……彼女がどうしてもとお願いをするから」


「もはや子供のわがままですわね。ああ、おかしいこと。そこまであなたを変えたとはいったい何があったのかしら。――ねえ、ユーリさん」


「え、私はなにも……」


話をいきなりふられたので焦った。


彼は私を好きとかで一心同体になった。でも、そこまで思わせる何かがあったのは私も知らない。