ちゆまど―世界は全て君のために―



持った死体を落とす。カラスが群がった。


「ユーリちゃんの言っていることは、他人の命の尊重だ。おかしいね?なら、自分の命の尊重はどうしよう。俺に宿る命もとても重いんだ」


「逃げる人――あなたを襲わなくなった人まで、殺してどうするんですか」


「何度も言わせないでよ。これは、自分の命の尊重だ。逃げた?それは言い訳にならないなあ。さっきまで、こいつらは俺を殺そうと――いや、優しい優しい村の人さえ殺そうとしたんだよ。

戦意喪失しましたー、戦いたくないですー。で、見逃すだなんてそれは虫が良すぎる話じゃないかな。

こいつらは重い命を壊そうとした。だから俺は壊されないように抗い、戦った。その結果がこれ。

それだけの話なんだよ」