ちゆまど―世界は全て君のために―



液体の昇華だ。


剣からも湯気が出ている。


「シィちゃんさすがぁ」


「本来ならば、一言で済むのだがな。まったく」


シブリールさんがいつか見た断頭台を出した。


手に持てる断頭台の刃は相変わらずまがまがしい。


「いくぞ」


「おうさ」


ここからは、紙でも潰すかのような作業だった。


たった二人に五十人が圧倒させられていた。


蟻の群れに入った人間。


騎士団たちも人間なのに、彼らを前にすれば虫程度だ。簡単に踏みにじられてしまう。


私から二メートル以上移動できないシブリールさんは向かってくる敵を薙ぎ払うだけだが、シュヴァルツさんに関しては真っ向から陣の中に入っていった。