ちゆまど―世界は全て君のために―



シュヴァルツさんの口を彼が塞いだ。


「それ以上、口にするなら……殺すぞ」


「……。へえ、やっぱり知られるのは嫌か」


何かを知った風にシュヴァルツさんが笑う。


「ユーリちゃんは愛されているねえ。――まあ、せいぜいユーリちゃんを傷つけないようにしなきゃ」


「愚問だな」


シブリールさんが私の肩を抱き、寄せた。


「ユリウスには、傷一つおわすこともさせない」


完璧なる断言だった。

耳元で言われて、はからずもドキドキしてしまった。


「い、いきなり何を!」


「あ」


声をあげたとこで、二人がきょとんとした。


「……」


自分の過ちを知る。


めっちゃ、見られている。二人だけではなく、その他大勢にも。