「聖水のおかげで呪いにかかってね。再生が追いつかないんだ。協力な水だよ、きっとマイムの泉からくんできたんだろうね」
恐ろしいっ、とか言い出すシュヴァルツさんには少しおかしな言葉が混じっていた。
「聖水なのに、呪いですか?」
「吸血鬼にとっては呪いだよ、あれは。人間にとっては聖なる水かもしれないけど、鬼の種族――魔族の部類に入る俺たちにとっては魔の水だ。まあ人間は聖水と呼ぶからそう呼んでいるけど。デストロイウォーターと俺は呼びたい」
「ネーミングセンスゼロだな」
私が言いたくても言えないことをシブリールさんが言ってくれた。
「そんな危ない水……私たちは大丈夫なんですよね」
「いや、シィちゃんはどうだろう。――だって、シィちゃんはもう」


