ちゆまど―世界は全て君のために―



彼が幽体もどきになったこと、私という縛りがあるせいで本来の力の三分の一も出せないことも。


「嘘だあ」


「本当ですよ。今、呼びますから」


目を閉じて、心内で彼の名前を呼ぶ。


「ユリウスぅ、会いたかったよー。さあお風呂も入ったんだから添い寝っ」


ぽんとでの彼をグーで退かした。


ご覧の通りと見せれば、シュヴァルツさんが目を見開いている。


「うそ……。シィちゃん、自分の体捨てちゃったの!」


「言い方がおかしいな。捧げたんだ、ユリウスに。彼女と一心同体になるためにな」


「いやいや、体を捨ててまで一緒にいたいって……。信じられない。よく失敗しなかったねえ」


「俺とユリウスの愛の奇跡だ」