ちゆまど―世界は全て君のために―



「へ、アリスが?わあ、大丈夫だったの?」


「はい。自分で追い払ったみたいでした」


「そっかあ、アリスも成長したんだなあ。――にしても、アリスの居場所まで見つけるなんて、よほど一流の魔導師でもついたかな、帝国は」



「そうかもしれませんね。そういえば、嘘か本当か知りませんが、王が変わったとか」


「へえ、初耳だ。ああ、ともかくも、俺もそいつらから狙われているんだ。言うならば、助けてーという話」


「そんな話ならお安いごようですよ」


「俺一人でもいいけどさ、念には念を入れたいわけ。シィちゃんの魔術あれば百人力だからね、ぜひ使いたくて」


「あ……、その話なんですが、実は」


かくかくしかじかと今までの成り行きを話した。