「その国がどうかしましたか」
「どうしたも何も、命狙われているんだよねー、俺」
「は?」
「俺ってさ、一号様――ラグナロク様に呼ばれた召還物でしょ。一応、世間の目は俺をラグナロク一座として見ているらしいんだよね」
ラグナロク一座。
ラグナロク様が管理する魔導師たちの総称だ。
確かに見方によっては彼もラグナロク一座の一員となるだろう。
「なんでかあの国、俺を見つけ出したんだ。どんな術を使ったかは知らないけど。最近、ここら辺に東ベルク帝国の騎士団がやってきてね。俺を探し回っているんだ」
ラグナロク一座には莫大な懸賞金がかけられている。事実。
「この前、グリフェンドールという街付近でアリスと会ったのですが、彼女もまた狙われていたみたいです」


