少なからず驚く言葉だ。
「あなたが吸血鬼って、みなさん知っているんですか」
「うん。その上でこの村の人は俺を歓迎してくれるんだ。優しいよねえ。――自分がいつ食われるかも分からないのに」
悪寒が走った。
変わらずの笑顔たるシュヴァルツさんに微かな恐怖を感じて。
「食べるんです、か……。この村の人を」
「いやだなあ、食べるわけないよ。この村の人は俺に優しいから」
新しい毛皮を撫でながら、安心することを言われる。
「俺が言いたいのは、爆弾を笑顔で迎い入れる人たちの優しさ。俺が爆弾。自らは爆発するきにならないけど、あるだけで人は恐怖するだろう?なのにここの人たちは爆弾と分かっていながら、優しくしてくれるんだ。爆発する気も――ううん、食べる気も起きないよ」


