ちゆまど―世界は全て君のために―



汚れたとしても、私の中に戻り、出てくれば、リセットされたかのように綺麗に――


「リセッ、ト……」


一瞬、体中が凍った気がした。


何気ない思考をしていたはずなのに、何か良からぬワードを引き出してしまったかのような。


リセット――、リセット、リセット。


「っ……」


頭が痛くなった。


片頭痛持ちなんかじゃないのに。


まいったなあと感じながら部屋に戻れば。


「こんばんは」


ベッド上にシュヴァルツさんが座っていた。


新しい毛皮、クマの大きな毛皮を肩に背負っているのが印象的だった。


「シュヴァルツさん」


「日が落ちたから来たよ。今夜もいい月だねえ……って、大丈夫?顔色悪いよ」


「あ、いえ、のぼせたみたいで。もう大丈夫です」


現にシュヴァルツさんを見たさい、気が散ったか頭痛がなくなっていた。