あくまでも、私を中心に物事を考えているようだ。なんだか。
「シブリールさんらしいですね」
「俺はユリウスを愛しているから」
同じような笑みを浮かべた。薔薇のにおいで酔いそうになる。
だから、今だけは許してあげた。私を抱きしめる腕を。
「いつか、離れる時がこようとも、そばにいよう。約束する。俺は君を守り続けると」
「はい」
立てられた誓いは、本当に美しいものだった。
人間だから、憎しみも持つし、幸せを噛み締める。罪も背負うし、罰も受ける。
生きているからこそ、色んなものが渦巻き、成長していくんだ。
大切なのは、自分と他人を見失わないこと。
確固たる意思を持ち歩いて、列記とした決断を持ち進んで、いつか終わるまで立ち止まることなく。


