ちゆまど―世界は全て君のために―



一つになるという過程であった事実をつきつける。


兄さんによろよろと近づいて、その体に身を寄せた。


兄さんの手が私を抱く。


優しかった、なのに。


「もう……もう、こうして、父さんと母さんは兄さんを抱けないし、抱くこともできないんだよ……。笑う姿を見せられないし、見ることもできない……。寂しくないの、兄さん」


私は寂しいよ。

言葉にできずに心で訴えた。


涙が流れたのは当たり前か、顔を上げれば、兄さんが涙を拭いてくれた。


「ユリウス……、ごめんね」


「兄さん……」


分かってくれたのかと抱きつき。


「寂しいよ、君が“ここ”に入ってくれないから」


彼もまた私をきつく抱き締めた。


強い、ぐっ、と息がもれた。