ちゆまど―世界は全て君のために―



「そうよ。私たちはあなたを捨てたりしない、どんなことがあっても!」


お母さんもお兄ちゃんを抱きしめた。


「……、僕は人間じゃないよ」


「お前は私たちの立派な息子だ!」


「いい子になれないよ……」


「そこは直していこう。大丈夫、私たちがついているから!」


「明日、村にいって全部話しましょう。大丈夫、何があっても私たちはあなたの味方だから」


「父さん、母さん……」


お兄ちゃんが泣き始める。


わんわんとではなく、幸せを噛み締めるように。


「僕、ずっとみんなと一緒にいたい……!」


「ああ、いるさ。イナディアルのためなら何でもするよ」


「本当に?」


「ええ、ずっと一緒にいましょう。私たちもあなたと一緒にいたいわ」


――やめてくれ。