ちゆまど―世界は全て君のために―



「ずっと一緒にいたい?」


「一緒にいるー」



「うん、ユリウスが望むなら、父さん母さんも一緒に。ユリウスのためにその願い、叶えるからね」


お兄ちゃんが人差し指を落ち葉に向けた。


「なにしてるの?」


「こうするとね、火がつきやすいんだ。やってごらん」


石をかちんとやった。赤い熱が産まれる。


「出た!出たよ!」


言った通りでしょーと自慢気な私に、お兄ちゃんはそうだねと頭を撫でてくれた。


「少し経ったら火を消そうね。火事になったら大変だから」


「いや!お母さんに見せる」


「見せたら怒られちゃうよ……」