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「今日から、ユリウスのお兄ちゃんだよ」
そういったお父さんが私に紹介したのは、一人の男の子だった。
「お兄ちゃん?」
「そうよ、ユリウス。ユリウスがね、いい子にしていたから、神様がお願いをきいてくださったのよ」
お母さんの言葉に喜んだ。
前々からお兄ちゃんが欲しくてお願いしていたのだから、それがかなって嬉しい。
「お兄ちゃんだー」
嬉しくてお兄ちゃんに抱きつく。
お兄ちゃんは最初はどきまぎして、結局は私の体に触れようとはしなかった。
「お兄ちゃん、お名前なんて言うのー?私はね、ユリウスだよ。四さい!」
「偉いわねーユリウス。ちゃんと自己紹介できるなんて」
「お父さんも嬉しいぞー。どうれ、お前もきちんと自己紹介できるかな」


