ちゆまど―世界は全て君のために―



「とんでもないものが、余の世界に住み着いたものだ。これは早急に手をうつか。人間がどうなろうと構わぬが、あやつは明らかに世界の害虫ぞ」


一人で男の処刑を確定したラグナロクに、シブリールが口を開いた。


「ラグナロク、連れていってほしい場所がある」


「良かろう。言うてみよ」


「彼女が産まれた村に」


「ユーリを救えよ、シブリール」


「分かっている」


決意は固い。

瞳に宿った決断は揺るがなかった。