ちゆまど―世界は全て君のために―



「食の探求者なんだ、僕は。常日頃から僕の空腹を満たす食材を探している。最近、美味しいと感じるのは魔力の貯蔵庫を持っている人間でね。

そんなのを確実に持っているのは魔導師とカテゴライズされたものたちだからね。ラグナロク一座に目をつけたのは早かったよ」


「だから、アリスやシュヴァルツまで襲わせたのですの」


男は東ベルク帝国の王を名乗っていた。

アリスたちを襲ったのは帝国の人間たち。辻褄があう。


「ラーニャを殺したのも、あなたですの!」


「誰、それ。悪いけど食べたものの名前なんていちいち覚えてないんだよねえ」


「半年前っ、帝国に殺された――」


「ああ、もしかしてあの高級食材か。とても美味しかったよ。さすが魔導師とあって魔力もたくさん含まれていた」