「かっこいい名前だな」
「うっ、可愛くユーリと呼んでもらえると嬉しいです」
ユリウスとは男らしい名前だからと言えば、クロスさんは頷いた。
「そういや、あの生意気な男はどうしたんだ」
「えっと……、部屋にいます」
私の中に入ってますとは会ったばかりの人には言えなかった。
人を疑うことをしらないのか、クロスさんは深く聞いてこない。
「まあ座れ。ほら、ロードの椅子使えよ」
「いいんですか」
「いいんだ。あいつは立って食わせる!日頃の行いが悪いからな」
不覚にも笑ってしまった。先ほどのクロスさんとロードさんのケンカを思い出して。
犬猿の仲らしいが、ケンカするほどなんとやらとも言うし、いい関係なんだろう。


