ちゆまど―世界は全て君のために―



花が綺麗だなあ、と思っていれば、もっと綺麗な場所についた。


茂みや見たこともない花に包まれた空白のスペース。


真ん中には白い椅子とテーブルがあった。


お茶飲みスペースとしては優雅すぎるだろう。絵画の中みたい。


「お、なんだ」


椅子にはクロスさんが座っていた。


童顔らしい大きな目をぱちくりさせている。


マンナカがクロスさんの横でお座りした。


「お前が連れてきたのか、マンナカ。なかなか頭いいじゃないか。俺の次にな!」


よしよしと頭を撫でる手。


「あの……」


「ん、ああ、今の時間はティータイムでな。ロードが色々とお菓子を作るんだ。良かったな、ここにいれば美味いもん食えるぞ。えっと……」


「あ、ユリウスです」