(――) 『我はもう人は喰わぬ』 『前科だと?それで我の在り方を決めつけるのは責めはしないが、過去と今は違うものだ。それでも危険だと言うならば、お前はどうなんだ』 『“世界殺しの魔導師”よ。お前とてもう――』 分かっていたはすだった。 もうあの頃とは違うと。 しかして、拭えないから過去というのではないのか。 前科があるとは、そうだったという裏付けだ。 疑いもしたくなった。用心もする。だって、彼女に何かあったら大変だからと。 自分のことを棚にあげて。