『離れたくない』
こういう状態にしたのはシブリールさんだ。
みすみす起こした奇跡をなかったことにはしたくないだろう。
「俺はいい。彼女が離れたいと言うのだから……」
「それではあまりにもあなたがかわいそうだ。私はいつだって中立なのですよ。物事を公平に見てしまう。確かにユーリさんもかわいそうですが、なってしまったのを戻すのはいかがなものか。
片や、離れたい。片や、離れたくない。せめて意思を一つにしてほしい。戻そうとする私が後悔してしまいますからね。――一晩、よくお考えください。今日はこちらに泊まるといいでしょう」
何がなんでも戻りたかった私はつい口を入れそうになったが、姫様の言葉で頭が冷えた。
彼の努力を無駄にしてしまう。


