「それは貴様だろう?鏡を見ても、自分の容姿の汚さに気づかないとは」
「汚いどころか、穢らわしいのは君の顔だろうに」
不毛な争いだった。
これが不細工同士なら、はいはいと軽く受け流せるのに、二人とも美形ときた。
花と月が綺麗さを争ってどうする。
ここは一先ず、シブリールさんを黙らせるかと思えば。
「おーい、ロード」
第三者の登場。
屋敷の中から金髪の人が現れた。
良かったこれで争いも――
「邪魔をするな単細胞」
「なっ、何の邪魔だよ、この……単細胞!」
「迷ったあげくに俺と同じ悪口しか言えぬとは、ふん低脳め」
「んだと、こらあっ」
「怒鳴ればいいというお子様精神を治したらどうだ、この童顔。見目に比例して中身も幼いな」


