ちゆまど―世界は全て君のために―



「さっきから彼女と会話できるという羨ましいことをしながら、なんだその目は。しかもか胸ばかり見て!言っておくがな、彼女の胸を黙視していいのは――」


「俺だけとか言ったら殴りますから」


シブリールさんが言えずに黙る。


そんな光景をなんだこいつら的な眼差しで見る男性。


「……医者なら丘の下だ」


ばたん、と扉が閉められた。


ちょっとと、扉に飛び付く。


「待ってくださいっ、怪しいものではありません」


ノックを続けた。


「知らん。どちらにしろ、ビルディは忙しい。面会謝絶だ」


「そこをなんとか!」


「お帰り願おうか」


そんな、と手を引っ込めたのに。


シブリールさんが扉に蹴りを入れた。かなり、本気で。