レイが約束の時間を過ぎても来ないことにヴァイオレットはすこし悲しかった

だけどその悲しさがよくわからずにいた


「ヴァイオレット様?」


「えっ?」


ボーッとベットの上から入り口を見ていたヴァイオレット

シーラがどうしたのかと尋ねた


「ぁあ…陛下をまっているのですね?あら、時間が大分たっていますね…」


「ええ…忙しいのかしら…」


ヴァイオレットは思う

―ユウリ様なら…


「はぁ…いけないわよね…」


「えっ?何か言いましたか?」


ボソッとつぶやくヴァイオレット。すこし聞こえていたらしくシーラが聞き直してくる


「なんでもないわ…少し昔を思い出して…」


「昔を?」


ヴァイオレットはハッと口を押さえて口ごもった