背の高いレイ

見上げるようにヴァイオレットはレイを見る

レイのグレーの瞳がヴァイオレットを見ていた

「あっ…」


「ん?」


ヴァイオレットは恥ずかしくて直ぐに前を見てしまった


レイの綺麗な整った顔を誰もがドキッとするだろう


「…悲しいな、そんなにそむけなくてもいいだろ」


「ぃ、いえ…ただ恥ずかしくて…そのっ…男性のお顔を近くで見るのはあまりないものですから…ユウリ様くらいで…」


「そうか…」

――またユウリか…


レイはなぜか気持ちがモヤモヤした

「気に…さわりましたか?」


「大丈夫だ、さぁ部屋に戻ろう。シーラが心配するだろう」


ヴァイオレットはコクンと頷く

レイはヴァイオレットを見下ろしながら車椅子を押して部屋へと行く

心に少しのモヤモヤを残してヴァイオレットと別れた