「足はそのうち動く、だから気にやむな」


優しい低い声がヴァイオレットの耳をくすぶる

――ユウリ様もそうだったわね…


自分で自分を悲しみへと浸らせてしまう


「何をかんがえてるんだ?ヴァイオレット」


「えっ!?」


「話をきいていなかっただろ?」


自分の世界にはいっていたためにレイに話しかけられていたのに気づかなかった

「いえ…陛下はなぜ私に優しいのかと…」

――ユウリ様の事を考えていたなんて言えないわ…



「なんだろうな…優しく接したくなる…」

―目を開けた時からそう思う


ヴァイオレットは嬉しくもあり悲しくもあり…

素直によろこべすにいた


「何かあったら言いつければいい。シーラや俺に」


「陛下に!?」


驚きすぎて振り向いてしまった