そんなレイを見てシゼル医師は
「目が覚めましたらまたおよびいたしますが…」


ジキル医師に言われてヴァイオレットを見ていたレイが立ち上がった

「わかった」


返事を返すものの、レイはまだ動かない

――なぜだ?
変に気になって仕方ない…

「陛下?」

「あ、ぁあ…ではあとは頼む」


レイは体を返して部屋から出ていく


―バタン…

「ユウリか…」


扉を閉めて呟くレイ
真相を知りたく、急ぎ足で書斎に向かった


※※※※※※

ヴァイオレットは夢のなかにいた。懐かしい夢のなか


"ヴァイオレット"
そう呼ぶ声が心を満たす


…ユウリ様…

ユウリと手を繋ぎ薔薇園を歩くヴァイオレット


優しく笑う愛しい人
その時…

薔薇園に強い風が吹く…

…ユウリ様!!

ユウリとヴァイオレットの手が離れて…


辺りは真っ暗になった