ざわつく校舎内を歩く。 左手には彼から貰ったお菓子。 右手は、彼からはぐれないように、彼のバッグを掴む。 彼が毎日登っている階段。 彼が毎日歩く廊下。 彼が毎日通う教室。 なんだか、全てが愛おしい。 自分の通っている高校は大好きだけど、彼と出会ってから、ほんのちょっとそのことを後悔した。 この学校に通う女の子達は、彼と毎日逢える。 少しだけ、悔しいね。 ううん、違う、 すっごく、悔しいね。 _