「いや、マジで行かね?」


あたし達の気持ちなんか露知らず、


まさかの雅司からの提案。


「・・・彼女本当に大丈夫なの?」


聞きたくも無いけど恐る恐る聞く。


「大丈夫だろ。


あいつ海なんか絶対行かねーし。


でも俺は行きたいし。


海好きなんだよなー、明と毎年行ってるし」


「へー、ナンパですか?」


麻子の突っ込みは胸が苦しくなる。


あたしが些細な事まで反応し過ぎなのか。


「違いますよ。


俺、声掛けるとか無理だし」


「じゃあ何ー?男2人で海ってナンパしかなくない?」


麻子がしつこく追撃する。