テーブルの上に置いていたケータイだけを、


鞄に放り込んで立ち上がる。


相変わらず彼は体勢一つ変えない。


今度こそ本当にサヨナラ。


心の中、呟いた。





彼の家を出て、駅までの道を歩く。


いつもなら何度も何度も振り返り、駅に着いたら引き返す。


「何で追いかけて来ないの!?」


泣きながら責めて、


「だって戻って来るって解ってるもん」


意地悪く笑う彼の腕に飛び込んで仲直り。


なんて、


なかなかベタ甘。