静の説明に無理がある。

しかし、無傷な以上救急隊員も信じるしかなかった。

『きっと包丁で刺されたと思って気絶しちゃったのねぇ~』

『そうなんですか?』

『そうよねっ?ねっ!』

『あっはい…』

とっさに返事をしてしまった。

今は静に話を合わせた方が良さそうだ。

警察でTシャツを買って来てもらい、帰りに静が話だした。

『惣ちゃん、あなたは30分以上は倒れてた…。血もあれだけ流れてたのに無傷だった…。』

『俺…起き上がるまで意識はありませんでした。
でも刺された…と思います。多分…』

『…私、惣ちゃんの能力がわかったの。
後でみんなの前で…ね。』

『はい』

俺の能力が…ようやく…