『なんで、生きてんだ!!!!』

男の奥に叔父が見えた…

やじ馬がいて、警察もいた。

さっきの帽子の男は血に染まった包丁を叔父に向けていた。

動揺した男は叔父に向けていた包丁を俺に向けてきた。

その時、叔父が男の背中を蹴り男は倒れた拍子に包丁を落とした。

間髪入れず警察が男を取り囲み拘束。

俺の側に救急隊員が駆け付けた。

『あの…どこも痛くないんだけど…』

『この出血で何言ってるんですか!刺されたんですよ!』

惣一郎は驚いて、服を見た。

腹部に穴を見つけ、服をたくし上げた。

刺し傷はなかった。

『え…』

救急隊員は戸惑っていた。

警察の事情聴取を受けた静が異変に気付いた。

『そのコ手品が趣味なんですぅ!!
さっき切断マジックで血糊使うってお腹に隠してたから~多分それが破裂して~;』

『包丁で無傷ですか?』

『あいつも血が出てすぐ包丁ひっこめたんじゃない?』

『はぁ…;』