*無口なキミの甘い言葉*




「た、隆史くん。そんなにキスしたいの?」

「ああ。菜子だからしたい」


隆史くんのその発言に、耳まで赤くなったような気がした。


だって、隆史くん。
あたしにとって恥ずかしい言葉をなんの抵抗もなく言うんだもん。


もう、本当に恥ずかしいよ。



「菜子、我慢できない」

「え?……っん!」


グイッと後頭部を押さえられて触れる隆史くんの唇。


ちゅっ ちゅっ
…って何度も触れあう唇。


「好きだ」


隆史くんがそう囁いたあとまた触れる唇。



あたしと隆史くんは。


オレンジ色に染まる公園の中で何度も何度もキスを交わした───‥‥。



  ──END──