「――嘘……でしょ?」 港に着いた途端、寿々歌は目の前の光景を見てそう言った。 俺だって、信じたくなかった。 俺がこんなにも啓太を苦しめていたなんて……。 俺達が港で見たのは、全身水に濡れて横たわる啓太だった。 そして、その隣には見覚えの無い女性が寄り添っていた。 その女性の髪からも、雫が滴り落ちていた。 俺は罪悪感に押しつぶされそうだった。