寮は学校の西側にある。


一階部分は学校と繋がっており、直接行き来できる。



「へぇ、渡り廊下から来てみたら、すぐ食堂なんだな。」


メープルが感心したような見下したような声で言った。


「正確に言えばロビーを兼ねています。」


「渡り廊下はいつでも通れるのかい?」


「いえ、午後6時にこの扉に鍵がかかります。」


「すると、反対側の扉は生徒の部屋だね?」


「生徒の部屋は二階以上です。


扉を出ると曲がり道があって、そこの突き当たりが用務員さんの部屋です。


その部屋の手前に、右に曲がる道がまたあって、そこを曲がると階段があります。」


「わかった。


失踪した連中は、ハシゴかなんかで飛び出したんだな。


俺、外に行って探して来るよ。」


「あ、ちょっと…。」


キュリーの静止も聴かず、メープルは飛び出してしまった。