一通り読んだキュリーは、電報をメープルに渡した。


「メープル、君はこれをどう見る?」


「ただの抜け出しとは全然違うな。」


「その通り。


そして、この事件は思ったより根が深く、凶悪な犯罪のニオイがする。


僕の経験則だけどね。



さて、そうと決まればすぐに返事をしなくては。」


「すぐ出発するのか?」


「いや、予定は一週間後だ。


それだけ準備はしっかりやらないとな。


今回ばかりはかなりヤバい気がする。



それと、あの場所にも連絡を入れる。」


「あの場所?」


「いずれ君も招待するよ。


それと、今回はあのステッキを持っていく。」


キュリーが指差したのは、めったに使わない、真新しさが残ったステッキだった。