「…何ぶつぶつ一人で言ってんだよ、気色悪ぃ。」
うん、やっぱり僕はこの不良野郎とうまくやっていける自信がないよ。
「…会長、この選抜自体断ることは、」
「不可能だ。」
「ですよね。」
このくそ会長、いつか絶対ぶっ殺してやる。
「…ちっ。さっさと行くぞ、ちび。」
「……」
「…おい、」
「はいはいはいっ!!」
「てめぇ、なめてんのか?」
「別になめてないっすけど…。」
「だったら黙ってついてこい。他の奴等はもうとっくに行ってんだよ。」
ウーラは苛立たしげにそう呟いた。
…え。もう誰もいないの!?
慌てて回りを見渡すと、
シーン
ってね。
その光景にウーラを随分待たせたことに気がついて、既に扉の前で僕を待ってる彼の元へ、
「ラビィ。」
僕を呼び止めたのは相変わらず冷徹な無表情の会長で。
「気を付けろよ、色々と。」
「?それってどういう、」
「おい、お前!!置いてくぞ!!」
「え!?ちょっと待ってくださいよ!!
、会長!!今のはどういう…」
「早く奴の元へ行ったらどうだ。キレると面倒臭いだろう。」
「そうですが、」
「俺は公務があるから。さっさと出てってくれ。邪魔だ。」
会長はそう言い終えると理事長専用のふっかふかの椅子に深く腰かけた。
「…失礼します。」
この時の僕はわかっていなかったんだ。
会長の言葉の意味を。