勇者な二匹




お元気でって…。
まるで今から危険な状態に陥るみたいな言い方だな。

それにしても…どうして誰も喋らなくなった!?

リオン先輩は眉間に皺寄せて、気持ち良さそうなソファーに胡座掻いて前で腕組んで座ってるし、生徒会のお二方は棒立ちしながら今にも泣き出しそうになってるし、ウーラ先輩は日の当たる窓に座って凭れかかれながら何か目閉じて考え事して…

て?


…もしかしてもしかしなくても、ウーラ、寝てんじゃねぇか?


「おい、ナタリア!!」

沈黙を破るように、そして文字通り扉を蹴破ってそう叫びながら入っていらっしゃったのは、頭がオレンジの不良様。

この部屋、不良の割合高くないか?


「…うるせぇな。ちったぁ黙れよ、このマスコット野郎が。」


「な!?マスコットとはなんだ、てめぇ!!」


不良様にそんな暴言を吐くのは勿論不良様のウーラで。

その挑発にまんまと乗ってしまったマスコットさん(仮名)は今にもウーラに殴りかかろうとしている。


「そんなかわいい顔してんだからマスコットで充分だろうが。」


確かに。
マスコットさんは男にしては低い身長で、声も高め、顔はぱっちり二重の色白で、真っ赤なプルプルの唇、走ってきたからなのか、ほんのり赤くなった頬っぺたが何とも言えず可愛らしい。


一人で分析しながらにやけていると、

「あ、あの、ベラルーシ様。今日はどういったご用件で…?」


オカマパンダが非常に丁寧な言い方で、オカマオーラを消していた。


「あ゙?どうしたもこうしたもねぇよ!!あんのクソバカ会長を出せっつってんだよ!!」